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タミヤ 32518 1/48 ドイツIV号戦車J型

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1/48 TAMIYA Military Miniature Series 32518 German Panzerkampfwagen IV ausf.J Sd.Kfz.161/2

 

  • 概要

2005年発売の1/48ミリタリーミニチュアシリーズのNo.18のキット。

タミヤが2003年にリリースしたMMの新シリーズで、同スケールの航空機と合わせられる他コンパクトでコレクションに向いたサイズや低価格がウリのラインナップだ。

普段は1/35スケールに注力しているものの、ここ数年の高額化や過度なパーツ分割で骨の折れるキットが目白押しだったため気分転換を兼ねて一度組んでみたかったのだ。

この頃のシリーズはシャーシがダイキャストの一体成型となっており、組み立てには瞬間接着剤が必須となる。他にもハル固定用のビスがあるためプラスドライバーと一部穴あけのためにピンバイスも必要という、やや特殊なキットだ。

 

製品はJ型となっているが、転輪の数はおろかマフラーやベンチレーターもH型のままで、変更点と言えば車体後部の補助エンジンの撤去と砲塔上部の近接防御兵器の追加とアイドラーホイールが従来のものと鋳造型が選択できるくらい。

つまりJ型と言っても1944年6月~7月あたりまでの初期生産型しか作れない仕様になっている。

 

  • 構成

ダークイエローのランナーが5枚にダイキャスト製シャーシ、ポリキャップとビス2本にデカールの内容。エッチングやクリアパーツは付属しない。

車体シュルツェンは付属せず、プラ板を切って作る手順が別紙に書かれてある。昔のMMのノリだなぁ。

履帯はプラ製部分分割式(40cm後期型)、砲身は一体成型+マズルブレーキのみ分割というインジェクションでのツボを抑えた分割で、パーツそのものは細かいものの手間のかかる部分は一体成型が進んでいる。

モールドは良好でタミヤらしいキレのある成形だが合いの悪い箇所がないわけではない。1/35MMとは思想の異なる分割になっていて、組み立てのノウハウは変わる。

 

まず車体下部はダイキャストシャーシに転輪を付けていくが、お馴染みのパーティングラインがある。センターより外側に位置し突起も浅いためナイフで削っていけば比較的容易に処理できるしさほど目立たないのでスルーしても良いだろう。部分分割履帯はキレイにモールドされパーティングラインもあまり目立たないが、ゲートの一部が履帯の接続部に来ているためキチンと処理しないと組み付けで難儀するので手を入れておきたい。軌道輪のみポリキャップ接続になっており、一体成型の履帯を活かせばロコ組みがやりやすくなっている。スケールの小ささ故にフェンダーとのクリアランスが極めて少ないため、履帯の塗装を考えると外せるようにしておいたほうが良いだろう。

車体上部には細かいOVMが並び、場所によってはイモ付け接着を要求される。シュルツェンステーを設置する場合はフェンダーの一部をナイフで削ぐ必要があり一手間かかる。

車体上面はダイキャストシャーシと2点のビス止めで接続するようになっており、ビス頭は分割されたパネルで隠すように組み立てる。

砲塔はよく考慮された分割で、パーツ数は多いものの合わせ目が目立ちにくい構成になっており砲塔シュルツェンの上部は薄く成形されているため見た目の仕上がりも良好。ベンチレーターに隣接する近接防御兵器を装着する場合は天板に穴を開ける必要がある。

 

  • マーキング

723号車 ノルマンディ

806号車 フランス

1032号車

 

  • 総評

このキットで感心する点は合わせ目処理の少なさで、マフラーとマズルブレーキ、車体後部の3点以外には合わせ目が来ないようになっている。パーティングラインの小ささも相まって成形にかかる手間が極力廃されているのは新しいトレンドと言えるだろう。

タミヤ秘伝の押しピン跡はやはり気がかりだが、1/35よりは致命的な位置に来ていないのでそこは完成度と相談しよう。シュルツェンが無かったり中期型以降は再現できないなどの制約はあるがプラモデルとしてはよく出来ており、パーツの細かさ故に難儀する場面もあるとは言えスケールの割に精密な仕上がりはなかなか魅力的だ。やはり直管マフラーなど中期型以降のパーツも同梱して欲しいとは思うが。

 

1/48MMの評価として、サイズの割に細かい分割が多く組み立ての工数は1/35MMとそこまで変わらないが、サイズや価格の割にディテールは繊細な本格的なキットでもある。反面パーツの接着には無理が生じていて、ピンセットや流し込み接着剤無しでは組み立てに難儀するだろうし、老眼待ったなしの旧MMファンが作るにはそれなりの苦労も想像できる。

なんだかんだ言って、それなりのツールを揃える必要があったりパーツの細かさを考慮すれば初心者には向かないキットだと思う。初心者向けの戦車プラモはあくまでも1/35MMシリーズで、こちらは普段ガンプラなど他ジャンルをメインに据える人が手を出したり、心得はあるが諸事情で大きいモデルが触れない人向けなのかな。製作時に場所を取らなかったり、完成後の保管場所が気楽だったりするあたりはガチじゃない人には丁度良さそう。模型が好きだけど場所が確保できない人なんかや情景志向の人にはなかなか魅力的なシリーズではないかな。ガンプラで言うとHGUCみたいな手頃感があって、制作はHGほどイージーではないけどノリで買える価格と勢いで作って手近に飾れる気楽さは難易度より遥かに重要なファクターだと思う。