タミヤイタレリ 37025 イギリス巡航戦車 クルセーダーMk.III
Tamiya/Italeri 37025 British Cruiser Tank Mk.VI Crusader Mk.III
・解説
2017年発売。1976年発売のイタレリ製品に改修と追加パーツを加えてタミヤから発売したもの。
ガルパン登場以降、流通在庫のクルセイダーが枯渇しプレミア化する事態となった折にタミヤから発売された救済製品である。
現在はボーダーモデルより新金型が発売されたが、それ以前の約40年唯一の1/35キットだった。
古いキットではあるが、イタレリ全盛期のキットなので設計のセンスが良く過去の問題点も改修されているため雰囲気は良くストレートに組み上げる上ではあまり苦労もしない。
タミヤ箱になるにあたって以前から指摘されていたフロントフェンダーや砲塔ライトなどの欠点が改修され、手間がかなり減っているのは大きなポイントである。
最大の弱点は軟質のベルトキャタピラで、焼き止めではなく瞬着が使えるなどイタレリ箱よりは扱いやすくなっているが長さが相当余るためカットせずに巻くとダルンダルンになってしまう。サイドスカートで隠してしまえる仕様なら良いが付けない場合は転輪にベタ付けするほうが良いかもしれない。
・構成
バスタブシャーシにダークイエローのランナーが3枚と軟質ベルト履帯。タミヤ箱にあたって兵隊とアクセサリーのグレーの小ランナー2枚と砲塔ライト用のクリアシールが追加された。デカールはイタレリ箱とは異なるものが付属する。
インストには書いていないがサイドスカートはフルカバーのもとの前後フェンダー部分のみの2種類がランナーに含まれている。
イタレリ名作と言えどやはり古いキットなので車体の隙間など合いの悪い部分もあるし押しピン跡が目立つパーツもあるので美しく作ろうとするならそれなりに手間がかかる。また車体後部のエキゾーストが省略されているなど問題点もまだ残っている。
本体ランナー付属の英兵3体は今の基準では使い物にならないが、タミヤ製のおまけランナーに付く戦車兵とアクセサリーは新しく良く出来ている。
・総評
過去これしかないで選択してきたキットではあるが、改修されて未だに通用する水準なのも確か。唯一の同車種製品であるボーダーモデル製がイタレリ製を過去のものにするか?についてはボーダーのを組み立ててから再記したいところ。
マーキングが少なく単色の塗装例しかインストに示されてない点が個人的にはかなり不満ではあるが、価格の手頃さや組み立ての容易さから言えばまだまだ現役と言えるキットなんではないでしょうか。